【育児日記】去年の今頃、私はひとりで桜を見ていました。精神科の入院…
【育児日記】
去年の今頃、私はひとりで桜を見ていました。
精神科の入院病棟から外へ出て、ベンチでひとり桜を見ていました。
はらはらと散りゆく桜を見ながら、ただ漠然とした不安を抱えていたことを覚えています。
あなたを産んで半年、あなたの顔を見ると吐き気が止まらなくなりました。
お腹を痛めて産んだあなた。泣いているのに、抱き上げると嫌悪感が襲ってくる。
なんど耳を塞いだでしょう。あなたが呼べるのは私しかいないのに。
気がつけば乳児院を調べ、離婚を考え、養育費を旦那に渡した方が良いのでは無いかと思う日々でした。
困り果て、たどり着いた先は大きな病院の精神科。
育児と離れ精神科に入院することになりました。
入ってみれば、普通の入院病棟となんら変わりはありません。
しかし、ニュースは連日新型ウイルスのことばかり。病院への面会は禁止。
転がるだけのあなたはいつの間にかハイハイを覚えて動画の前で披露していました。
親としての葛藤、将来への不安をかかえ、それでも桜を見に行くことだけが楽しみでした。
私は今年も病院で桜を見ています。
あなたの大好きなアンパンマンの絵本を抱えて。
「ばあばとお留守番ありがとう」
そう言って渡すためです。
あれから精神科の薬は手放せません。母乳育児も出来ず、離乳食はレトルトばかり。たまにパジャマのまま1日を過ごしますね。
でもいないいないばあの曲は何でも踊れます。
アンパンマンだってたくさん覚えました。
「パパ」しか言わなかったあなたは「ママ」と手を握ってくれるようになりました。
体調が悪い日はあなたのお気に入りのくまちゃんを貸してくれるようになりました。
私も、なんとか母親の端くれにしがみついているのでしょう。
同時に迎えたイヤイヤ期。
ママは正直不安です。またあなたの親になったことを後悔するようになりたくないからです。
でもね、産まれた時に言った「大好きよ」これはずっと変わりません。
あなたのことが大好きよ。
- もち(5歳5ヶ月)
コメント