第2話続き。 みーちゃんは強かった。友達に言い返した。「紙袋で何が…
第2話続き。 みーちゃんは強かった。友達に言い返した。「紙袋で何が悪いんか?お前達は紙袋で登校する根性あるんか?!」そう。すでにみーちゃんの心には、我慢、耐えるという気持ちが強く根付いてしまった。それから数カ月後。ランドセルを買って貰った。しかし、みーちゃんはあまり嬉しくなかった。紙袋登校が楽しかったから。しかし、ランドセルをからって学校に行った。その日は教室に入らず、まずはお兄ちゃんの教室に行った。みーちゃんは戸惑いを隠せなかったからお兄ちゃんに助けを求めた。みーちゃん「お兄ちゃん!みんなに何て言えば良い?何かやだ。」兄「俺の教室に来るな!怒」するとお兄ちゃんのクラスの女の子から囲まれた。女の子「どうしたん?何か困ってるん?ってかだいすけの妹?可愛いなぁ。あんたら辛い思いしとるらしいけど兄妹で美男美女ってここら辺では有名よ?わかった!明日から私と学校行こうな!隣の団地やし!」みーちゃんは言われている事が訳わからなかった。けど、一緒に学校に行ける友達が出来て嬉しかった。その日から、帰り道も行き道も“ちなっちゃん”がいた。ちなっちゃんはみーちゃんを妹のように可愛がりだした。隣の団地だから、ちなっちゃんからもお泊まりの誘いにもみーちゃんは進んで行った。ちなっちゃんといる時だけ本当に楽しかった。ちなっちゃんが夏休みの宿題や工作もちなっちゃんが手伝ってくれた。ちなっちゃんにみーちゃんはある日、ふとこう言った「ちなっちゃん、お母さんも帰って来んし、お父さんがうちんちいないんだ。辛抱ってずっとするときつい?我慢しまくったら良い事ある?」ちなっちゃん「みーちゃん、辛抱と我慢はしちゃダメ。心の中がきつくなって苦しくなるんだよ。けどみーちゃんは辛抱と我慢を沢山しすぎてるんだね。会話や、やる事がとても一年生とは思えないよ。そんな年で、いろんな事知りすぎちゃってるね。でもそれは、千夏と同じかも。」みーちゃんは良く理解出来なかったようで全てを理解していた事に気付いた。そう、ちなっちゃんも居なくなる日が近づいていたからちなっちゃんもいろんな事を理解しすぎている。だから5歳も年の差があるのに会話が綺麗に成立する。しかし、そんな事より、毎日一緒だったちなっちゃんが居なくなるのが悲しかった。みーちゃんは初めてちなっちゃんの前で泣いた。ちなっちゃんはこう言った。「生きてればまた何処かで会えるよ!私もみーちゃんから離れたくないよ。けど親が決めた事だから仕方ないんだぁ。明日から千夏が居なくても大丈夫?」みーちゃんは首を横に振った。泣きながら初めて“孤独”を覚えた。この感情に関してはみーちゃんは初めて辛い感情として心を駆け巡った。ちなっちゃんも居なくなり、兄は中学生になった。みーちゃんは更にここから強くなりだす。ここから自分の人生を人に振り回されだす。
- スピード(9歳)
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