主人には秘密にしてることは他にないけれど…これだけは自分の胸の内にだ…
主人には秘密にしてることは他にないけれど…
これだけは自分の胸の内にだけ閉まっておきたい過去の恋愛があります。
22歳の時
入社した会社の上司に私は恋をしました。
そして、彼も同じ想いを持ってくれていることを知り、周囲には内緒で社内恋愛をしました。
当時、このことを知っていたのは、入社以来、私の指導をしてくださった女の先輩だけでした。
彼と一緒に過ごす時間の中で、私は結婚を意識するようになりました。
けれど、私は腎臓に疾患があり、妊娠出産を望めない体
そして、彼は私の一回り歳上で離婚歴がありお子様もいました。
彼は私の思いを知り、私の両親に一度きちんと挨拶をしたいと言ってくれました。
けれど、彼の年齢、離婚歴、お子様のことを知った父は彼と会うことさえも拒否しました。
そんな父に私は幻滅し「認めてくれなくても結婚するから!!」と、彼の元に走ったけれど、
「君のお父様がどんな思いで君を愛し育ててくれてきたのか。お父様に反対された以上、そのお父様から君を奪って君を幸せにする自信がない。戻ろう。これからは俺にとって、君は部下だ。それ以上でもそれ以下でもない」
突然の別れ
簡単に諦めた彼も、私の幸せを奪った父も許せなかった。
その後、私は会社を退職し、3年後
「許してくれ。お前の花嫁姿を見れないまま死ぬのは、あの時、お前の結婚を認めてやれなかったことの罰だな」
そう言って、父は他界した。
彼とは退職後、一度も会うことはありませんでした。
ただ、お世話になった先輩とは連絡をずっと取り合っていて、私の父の通夜の時に、彼が手を合わしに来てくれていたことを教えてもらいました。
会場に入ることはせず、会場の前でそっと手を合わしたら帰ろうと思ったその時に、私の姿が見えたと。
しっかりと挨拶をしてる私を見て
「父なんてどうでもいい!って俺に泣きながら言っていた彼女が、今、お父様の為にしっかり挨拶をしている。その姿を見た時に「何が何でも幸せにする!」そう言って一緒になってやれなかったんだろう。彼女を手離したことを心から後悔した」
そう言っていたことを教えてもらいました。
その後、主人と出逢い結婚
忙しい日々の中、彼を思い出すことも少しずつなくなっていき、一昨年、彼が病で他界したことを知りました。
そして、今日、彼が眠っているお寺に手を合わしに行くことができた。
姿形は見えなくても、彼がここにいるんだ…と思うと、涙が止まらなくなった。
お寺の前で、そっと手を合わして帰ってきた。
彼が好きで好きで、彼につりあう女性になりたいと必死で背伸びをした若かった私
あの時の彼の年齢を超えて、今なら、何故あの時、私を思いっきり突き放したのか、わかる。
「好き」という気持ちさえあれば何でも乗り越えられる。
周りを見ようとせず、彼のことしか見なかった私の未熟さを、彼が一番わかっていたのだろうと。
あの頃の「好き」と、今、主人に想う「好き」はやっぱり違う
「幸せにしてほしい」じゃなく「主人を幸せにしたい。家族を守りたい」と思うようになった
それだけ、私も歳を取ったんだろうなぁ…と思う
あなたの死を知ってから、ずっと悩んでいました。
でも、今日、15年振りに会いに行きました。
「好き」だけではどうにもできないことがあること。
嬉しさや苦しみ。
たくさんの感情をあなたに教えてもらった今、私を愛してくれる主人と息子に幸せをもらい過ごしています。
あなたのことは主人は知りません。
これから先も、私の胸の中だけに閉まっておきます。
まだまだ生きて、この家族のそばにいようと思います。
今日、手を合わしに行けて良かった。
私は、今、幸せです。
- ペンママ🐧(10歳)
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