![ペンママ🐧](https://cdn-mamari.imgix.net/static/mamariQ/img/common/default_icon.1b2bca45.png?auto=compress,format&lossless=0&q=90)
息子が「ママ。今本当に欲しいものってないの?」と聞いてきた。「ないよ…
息子が
「ママ。今本当に欲しいものってないの?」と聞いてきた。
「ないよ。どして?」と聞くと
「パパがママは本当に何も欲しがらない
欲しいものがあったら自分で買うからっていつも言うって」
物欲がない私を不思議がる息子に、私は寝室に飾ってあるガラスケースの中のシルバニアファミリーを息子に見せた
私の宝物の一つのシルバニアファミリー
7歳の時、お店でお家と家具一式がセットになったシルバニアが飾られていたのを見た私は一瞬でそれが欲しくてたまらなくなった。
誕生日でも何でもない。
しかも全部揃ってあるからかなりの高額だっただろう
父と母に「買ってほしい!」と泣きながら訴えた私
もちろん父も母も「ダメだ。8歳の誕生日に家か家具かどちらかを買ってあげる」と反対した
でも私はどうしても諦められなくて、しつこくお願いした
すると父が
「そんなに欲しいなら買ってあげよう
けれど、これを今買ったら10歳のお誕生日までは何もなしだ
それでもいいなら、買ってあげよう」と言った
私は「それでもいい!」と言って買ってもらった
あんなにも泣きながら「欲しい!」と一歩も引かず、親を困らせてまで訴えたことはなかった
そして、40歳になった今でも、あんなに「欲しい」と願ったものは後にも、そしておそらくこれから先もないだろう
父は約束とおり、10歳まで私にお誕生日のプレゼントは買わなかった
それでも私は本当に欲しいものを買ってもらったことへの嬉しさで、それ以降、父に何かをねだることはなかった
あの時、7歳の時に、私の物欲はなくなったんだろう
私の話しを聞いた息子は
「そっかぁ…。パパはこの話知ってる?」と言い
「知ってる。パパと結婚する時に持ってきたからね。
その時に話したよ」
「7歳の時のママに会いたかったなぁ〜。
僕、絶対ママのこと好きになってた気がする」と言った息子に
「パパと同じこと言ってる」と私が言うと
「親子だね!
何かさ、パパがいつもママには敵わないって言ってる意味がわかってきた気がするよ」
「7歳の時、ママの物欲はなくなったけど、かわりに食欲は増していってるからね!今のママは!」と言うと
息子は大笑いした
本当に心の底から大切なものって、人はいくつ持っているのだろうか…
私の宝物は
愛する主人と息子
天国にいる実父と実母、そしてお義父さん
いつも支えてくれるお義母さん
いつも強くて頼りになるお兄ちゃんとお兄ちゃん家族
そして、ただだだ可愛い義弟さん家族
あの時「大事にするんだぞ」と言って買ってくれたシルバニア
「母親になりたいと言ったのなら、その思いを貫き通しなさい」と言って、私に提供してくれた母の腎臓
息子にはこれからどんな宝物が増えていくのだろう…
そして、私は息子に何を遺してやれるのだろう…
人を自分を大切にできる人は、ものも大切にできる人のはず
将来、息子が愛する人と出逢い結婚して、我が子を授かった時、もしその子が女の子なら、このシルバニアファミリーを譲りたい
その日が来るまで大切に、そして何が何でも生きていたい
- ペンママ🐧(11歳)
コメント