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あーりん"(∩>ω<∩)"
雑談・つぶやき

「あなた以外と幸せになるくらいなら、あなたと不幸になりたかった~」…

「あなた以外と幸せになるくらいなら、あなたと不幸になりたかった~」というような歌(曖昧です)Tiktokで流れてきて、ピタリと手を止めました。

あなたと本当は幸せになりたかったけど、幸せにはなれなかったから、それなら他の人と幸せに…きっと私はそうなれないから、それなら、それなら……あなたと不幸になった方が、私は幸せだった。

あなたはいつも、「鳥みたいに大空を飛べたら気持ちいいだろうね」透き通った空の青さをみては口にしていたよね。

そしてあなたは冬の寒い日のある深夜、夜空に飛んだ
飛び立てる翼も持ってないのに

あなたの残したものは、潰れたペアリングと私のプレゼントしたウォレットチェーン、便箋7枚に私を愛してると書いた遺書

不思議と涙は出なかった

警察署の冷たい霊安室に横たわるあなたを、警察官は見ない方がいいと言った。でも、最後になるかもしれないあなたの顔を見ないという選択肢はなかった

原型はあまり留めてなかったけど、たしかに顔はあなただった。私には、ほんの少しだけあなたが笑ってるようにも見えた。
その時私は、聞こえないとわかっていながら、あなたにこう告げた。
「良かったね。幸せになったんだね」
そばにいた警察官の2人のうち1人が声を押し殺すように泣いていた

警察官が「…ご自宅まで送ります」葬儀まで保管してくれると言うので、一旦別れを告げ車に乗り込んだ

ラジオすら流れてない車の中で、警察官は「亡くなったご遺体は…もう生きてない。魂のない身体は肉の塊です。厳しいけれど、それが現実です」
私は答えた「そうですね。姿は彼だけれど…」

自宅に帰り、1人なのだと改めて実感した。あなたの声もあなたの姿も部屋のどこの隅っこにもない。
だけど、お風呂には髭剃りが残っていて、この先使われることの無い歯ブラシがあって。玄関には二度と履かれることない靴が乱暴に並べてある
あなたの大好きな香水の残り香が、ここには1人なんだということを嫌という程知らされる

少しソファで眠ったあと、あなたの分も作ってしまったコーヒーを飲んだ
そして淡々と関係者に連絡を入れる
嘘だと泣く人、え…と声に詰まる人、どうして?なんで?と私を責める人もいた。あぁ…あなたはこんなにも沢山の人に愛されていたんだなと、改めてあなたの存在の大きさに気付かされた。

亡くなり方が自死であるため、公に大きくやらず、お通夜告別式をまとめて1日で終わらせ、あなたは飛び立ちたかった大空へ消えていった

火葬される直前、それまで泣くことも話すこともなかったあなたのお母さんと妹は、焼かないで…と棺に縋り付き大声で泣いていた。
痛みを乗越え産んだ我が子を見送るのも、可愛がってもらって大好きな兄を見送るのも、どれだけ辛いことか……

そんな時、ずっとそばにいてくれた共通の友人が私にハンカチを手渡した。ん?と思いつつ、あ、あなたのお母さんや妹へ渡せということかと、受け取り歩き出そうとしたら、腕を引っ張られ、「あんただよ。泣いてるの分からないの?涙こんなに出てるのに…」押し殺す声で私に言った

あぁ、あなたと不幸になりたかったとか嘘だ
私はあなたと幸せになりたかったんだ
そこからはあまり覚えてない
ただ嘔吐してしまう迄泣き崩れていたことだけは教えてもらった

あなたが私の前から居なくなってから10年を超えた時、年月を数えるのを辞めた

私は4人のお母さんになったよ。2人の孫もいるよ。
今とても幸せだよ。

私思ったんだ。あなたと幸せになれなかったから不幸になりたいんじゃない。あなたはどうか分からないけれど、私はあなたといてとても幸せだった。
今私が幸せなのは、あなたと、いちばん愛した人と一緒にいて幸せだったから、幸せになれたから、幸せの温かさを知ったから、あなたではない別の人とも幸せになれたんだよ。

私は自分の道を歩いてるよ。愛する夫と愛する子供たちと。

私が天寿を全うして、いつかあなたのいるあなたの大好きな空へ行く時が来たら、マルボロとコーヒー持って会いに行くわ。
時間制限はないから、色んな話をするよ。聞いてくれる?そして待っていてくれると信じてるあなたの話も聞かせてね。

時々、私の夢に出てくるけど、まだ連れていかないでね。私はまだ、大人にしなきゃいけない末娘がいるし、まだ見ぬ孫とも出会えてないから、やることがまだあるから、もう少しだけ。待っててね。あともう少しだけね。
待つことに苦を感じないあなたなら、待てるよね。
また会える時まで、その時まで、また一旦、サヨウナラ。

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